第1.1話

〜東京都下の地下施設地下通路〜
控え室へと足取り軽やかに向かう3人を見つめる1つの影。
3人はその影の人物を通り過ぎて控え室へと帰っていく。
賑やかな一団が通り過ぎ、暫くするとつばさがゆっくりとした足取りで歩いてくる

「負けたのね・・・」

「・・・?!・・・静・・・」

影の人物に止められるとつばさと静という人物は対峙する

「あなたともう一度闘う前に負けてしまった・・・すまない・・・」

「あなたが謝るなんて・・・天城さんはそんなに強かったの?」

「・・・・」

コクリとうなずくとつばさはゆめと一緒に自分の控え室へと消えた。

〜愛控え室〜

「疲れたぁ〜〜・・・あれ?テレビついてる」

テレビのモニターには二人のトップレスの女性が闘っている

「・・・あれ?!・・・この二人ってテレビに出てる女優じゃないの?・・・体当たり演技してるねぇ〜〜」

テレビ画面に映ったその女優と思われる女性達はどちらも攻撃に欠け素人丸出しの闘いなのだが
まさに死に物狂いという言葉が当てはまるほどの死力を尽くした闘いを繰り広げているようだ

「・・・それにしてもいいのかなトップレスで闘って・・・何の映画なんだろ?」

不思議がる愛だったが突然テレビが消される

「・・・??」

「・・・愛さん・・・あの・・・」

「・・・何?・・・文ちゃん・・・テレビ消してまで何か話したいことでも?」

「・・・い・・・いやっ・・・なんでも・・・」

「じゃ・・・さっきの・・・」

「・・・ま・・・待ってください、愛さん・・・えっと・・・あの・・・」

「・・・カラオケ行きますデスか!!愛」

突然、ベッキーは愛に話しかける

「・・・う・・・うん・・・いいけど?」

「文も一緒に愛のアニメソングで勝利カラオケパーティー行きますデス」

「・・・へっ・・・は・・・はいっ・・・行きますです・・・」

「・・・文ちゃん言葉変(笑)・・・じゃ・・・行こう・・・って、もう帰っていいのかな??」

「試合終わればいいデスのだ」


〜3時間後〜

カラオケアニソン大会も絶好調に盛り上がっていたのが
ふとしたことで一転してしまった

「・・・ベッキー!!文ちゃんお酒弱いの知ってたの?」

「・・・まさかお酒とウーロンティ間違うとはおちょこちょいな人ですネ・・・文ちゃんは・・・」

「1杯飲んでベロベロだよ・・・文ちゃん大丈夫??・・・」

なぜかウーロン茶とウーロンハイを間違えて飲んでしまった文は
顔が一瞬にして真っ赤になるとソファにパタンという感じで倒れこんでしまったのだ

「・・・らいりょぶれす、らいりょうぶです・・・あい・・・しゃ・・・」

「これは危ないね・・・ベッキー今日はこの辺で終わりにしよう、まだ歌い足りないアニソンは次にしよ」

「そですね・・・残念デス・・・今度はもっといっぱい歌うのデスよ」

「私は文ちゃん連れてマリアさんとこ行って帰るから、またね・・・」

愛はベッキーとカラオケ店で別れると文を自分の愛車に乗せると
夜の道を颯爽と駆け抜けていった


〜With Mariaの喫茶店前〜

「やっぱりこの時間だとマリアさん寝てるだろうな、どうしよっか・・・」

「・・・らいりょうぶです・・・らいじょぶですから・・・愛しゃん・・・」

愛車のバイクの後ろから文は愛に話しかけるが
イマイチ何をいっているかわからない・・・
どうしようかと愛は文を抱きかかえながら悩んでいると喫茶店が灯る

ガチャ

突然、喫茶店のドアが開き、見てるみると

「・・・あら・・・帰ってきはったん?文ちゃんから今日はカラオケ行くから遅くなるゆうてはったからもっとおそなるんかとおもとったけど・・・」

マリアがドア開けてくれた

「・・・はい・・・ちょっと色々ありまして・・・ってマリアさんなんて格好してるんですか!!」

よく見るとマリアはそんな格好で外でいると捕まるんじゃないかというぐらい恥ずかしい下着を身に着けている

「・・・この格好?・・・そやろか?今日はあんまり押さえ気味かな思てたんやけど・・・まぁ立ち話もなんやし・・・文ちゃん?」

「そうなんですよ・・・文ちゃんが酔っちゃって・・・」

「文ちゃんお酒弱いさかい・・・」

「そうなんですか・・・なんか間違って飲んでしまったみたいで・・・」

「なんにしはっても文ちゃん中入れて、愛ちゃんもシャワーでも浴びはったら?」

「そうですね・・・シャワーお借りしても・・・でも着替えなんて・・・」

「心配いらへんよ、うちの使はったらえぇから」

「・・・でも」

「文ちゃんはこっちに寝といてもろて、はよ入りぃ〜」

「わかりました・・・なんか上手いように丸め込まれてるような感じが・・・」

「かまへんかまへん」

文を担いで喫茶店の奥にあるマリアの家に連れられると
ソファに寝かせマリアが布団を掛けてあげると
文は心地いい鼾をかきながら熟睡してしまった

〜シャワーを浴びる愛〜

そして

「あのぉ〜こんな恥ずかしいの着れませんよぉ〜」

シャワー室から愛の声がする

「そんな恥ずかしい下着ちゃうよ〜二人やし、かまへんからそれ来てこっちおいでぇ〜〜」

「でも・・・あれっ??着替えは??」

シャワー室に入る前に畳んでおいた服がなくなり代わりに
マリアさんが用意したであろうバスタオルと少しスケスケの下着が置いていた

「こっちで洗濯してもたからないよぉ〜〜そやから、それ着てこっちおいでぇ〜〜」

「・・・ほんとですか・・・でもこれってどうして穿いたらいいのかな?」


〜マリアさん家のリビング〜

「似合ってはんなぁ〜やっぱり私が予想通りやわ〜」

「ありがとうございます・・・でも恥ずかしい・・・でもこんなサイズぴったりの下着なんであるんですか・・・」

「それはねぇ、大体愛ちゃんのスタイルみたらこんなんかなぁって前々からこうとったんよ」

「はぁ・・・って、買ってたんですか?!」

「・・・そや・・・まぁこれでも飲んで・・・」

「はぁ・・・(なんかペース乱されるなぁ〜)」

「そうそう、勝ちはったんやて、つばさちゃんに!!今日はうちの奢りやから祝勝会やね〜〜」

「あ・・・ありがとうございます」

「それじゃ乾杯ぃ〜〜〜♪」

二人はお酒を飲み交わす。

「なぁなぁちょっと聞いてもえぇ?」

突然マリアは愛に何か聞きたいことがあるようだ

「はい・・・」

「愛ちゃん女の子好き?」

「・・・はぁ???」

「好きかなぁ〜って一回聞いてみたかったんよ」

「そんな突然・・・」

「私ね・・・女の子好きなん・・・愛ちゃんは・・・」

「あ・・・あの・・・っ?!」

突然マリアはぷっくりとした唇で愛の唇を奪った

「・・・っ?!・・・何を・・・」

「愛ちゃんは女の子好き?」

「・・・・・・好きですよ・・・」

愛はコクリと恥ずかしそうに頷きながら頬を赤らめながらそう言った

「やっぱりそうや・・・初めて逢った時から思とったんよ・・・この子女の子好きかなって?」

「そうなんですか・・・」

「そや・・・私も女の子大好きっ!!愛ちゃんは色々な女の子としはった?まさか文ちゃんとも・・・」

「・・・していませんよ!!・・・でも、昔は同期や先輩・・・後輩とも・・・」

言われるがまま流されるままマリアのペースで愛は色んなことを自然と聞き出されてしまい
ついつい不思議としゃべってしまう自分がそこにいた。

「そうなんや・・・私も色んな・・・まぁその話は今度にして・・・私からのお祝い兼ねて、もしよかったら私と一晩ゆっくりとしはらへん」

「・・・フフっ・・・いいですよ・・・カミングアウトしたし、こっちこそマリアさんを寝かしませんよ・・・私のテクニックスゴイですから・・・」

「うちも楽しみやわ〜愛ちゃんの感じる姿見るんが・・・」

二人はベットへと向かい、暗闇の中で重なり合い、新たなるスタートの一夜を過ごした。


オリジナルTOPへ

inserted by FC2 system